最重度自閉症 | 自閉症児のいる暮らし

最重度自閉症

最重度自閉症という判定はない。
知的障害の最重度判定になる。

さて、最重度自閉症とはなんでしょうか?


いわゆる、知能測定値で別けられています。


  軽度 50-55~70
  中度 35-40~50-55
  重度 20-25~35-40
  最重度 20-25以下

最重度の場合、知能測定は判定不可能が多い。


昭和48年から交付されている療育手帳は、手帳は重度
の方からA1、A2、B1、B2に区分されています。

「A1」 各種診断の結果、知的障害者の程度が処遇上
「最重度」と判定され、またプロフィールがおおむね
「A1」程度に該当するもの、知能測定値が35以下で
合併障害として身体障害者福祉法に基づく障害の程度が
1級又は2級に該当するものであって、日常生活におい
て常時介護を必要とするもの。


重度
「A2」 各種診断の結果、知的障害の程度が処遇上
「重度」と判断され、またプロフィールがおおむね
「A2」程度に該当するもの、知能測定値が50以下で
合併障害として身体障害者福祉法に基づく障害の程度が
1級、2級又は3級に該当するものであって、日常生活
において常時介護を必要とするもの。


中度
「B1」 各種診断の結果、知的障害者の程度が処遇上
「中度」と判定され、またプロフィールがおおむね
「B1」程度に該当するもの。


軽度
「B2」 各種診断の結果、知的障害者の程度が処遇上
「軽度」と判定され、またプロフィールがおおむね
「B2」程度に該当するもの。



自閉症は、高機能自閉症、中機能自閉症、低機能自
閉症に分類されます。

高機能自閉症
 ・ボーダー以上の軽度精神発達遅滞
 ・普通教育可能なレベルの学力
 ・日常会話は普通にできる 
    
中機能自閉症
 ・中度精神発達遅滞を伴う
 ・単語と簡単なやり取りの言語
 ・日常生活に差し支えない程度に理解
 ・社会的に認知の障害

低機能自閉症
 ・重度精神発達遅滞を伴う
 ・言語交流の不能
 ・社会生活が機能しない
 ・強度行動障害 


最重度の発達遅滞で低機能自閉症の者を最重度自閉症
といっていいでしょう。なんだか、文章にしてしまう
と、それだけで教育不可能のような印象がありますが、
ちゃんと教育は出来ますし、成長します。
絶望することはないです。

今は、自閉症に関しては、一生かかっても読み切れな
いぐらいの、膨大な文献があります。自閉症の勉強な
んかはじめたら、子育てする暇なんかないくらいです。
(^^)


たまに、自閉症協会のホームページを見にいきますし、
研究発表された論文なんかも読みますが、皆、凄いな
あ、偉いな、頑張って、なんて真面目なんだろうと感
心します。個人のホームページで、お子さんの写真や、
記録などアップして、療育のアドバイスもされている
ので、とても参考になります。凄いなあとやはり感心
します。


そんなホームページと間違って、このやる気のない
blogに、うっかり来てしまう人がいませんよう、祈る
ばかりです。もし、来てしまわれたら、「すいません」
と言うしかありませんから。


では、やる気なく続けます。

最重度の子は、なにが大変かというと、療育がなかな
か身につかないことでしょう。記憶が3秒と続かず、
言葉もわからず、行動障害だけに振り回されて、毎日
が慌ただしくすぎていきます。モノを覚えないという
ことは、教える事が出来ないということです。この状
態のままだと野生の猿と変わらないので、「人間」に
しなければなりません。


今の時代は、知恵おくれでなくても、教育が出来ず、
成人式に暴れるような野生の猿もいますが、知恵おく
れの子の場合は、これではいけないという危機感を親
がもつので、たいていはきちんと教育されます。
放っておいたら人間にならないと実感するからです。


最重度自閉症だからといって、他の軽度、中度と比べ
て大変かというとそうでもない、と皆さん、おっしゃ
いますが、それは嘘です。軽度中度に比べたら、はる
かに教育しにくいです。

障害は皆同じではありません。軽度、中度の親は、こ
のへんが理解しにくいです。同じ事を教えるのにも、
子どもの発達段階にあわせ、もし、その段階でないな
ら、遡って、理解出来るとことから教えなければなり
ません。

物に名前があることがわからないのに、
「りんごとって」「みかんはどっち?」とは、言って
も無駄です。これは、りんごです。あっちもりんごで
す。この絵もこの写真もりんごです。りんごは食べら
れます。りんごは赤いです、っと言っても概念として
「りんご」が解らなければ、やり取りも出来ないから
です。「りんご」と言われて、りんごが解る子だけが、
りんごをとることができます。軽度、中度の子を持つ
親は、いきなり「りんご」という共通のやり取りがで
きるのです。
最重度の子には、りんごの概念を教えるところまで、
さかのぼります。


鉛筆を持って字を書く。まず、えんぴつが何なのか解
りません。書くとはどういうことか、解りません。
字って何でしょうか。鉛筆を持つことができません。
感覚統合から始めます。えんぴつをにぎります。
数秒で落としてしまいます。鉛筆を持つことがで来ま
せん。握力をつけなければなりません。
手を握って、開いてが出来ません。そのうち何をやら
されているか解らず不安になり、パニックで大騒動です。
興奮が続いて食事もできません。鉛筆を持たされたので、
スプーンも、持ちたくありません。ちゃぶ台返しです。
延々悪循環です。


座ることのできる子、鉛筆の持てる子だけが、字を教え
てもらえます。


全てにおいて、こんなかんじです。
最重度と、軽度、中度には、やはり差があります。

まあ、最重度障害だろうが、健常だろうが、教育がはい
らなければ、猿という状態で大差ないんで、そういう意
味では、同じですが。

最重度、親にとっては、「チャレンジすべき高い山」で
あることは間違いありません。